2012年9月19日水曜日

夜の海

何度か死のうと思いました
人を信じることができなかった時
思い描いた未来が崩れて行く時
疲れてしまった時
正しさと誤りがよくわからなくなった時
愛と信じたものが
もろくはかないと知った時
何度も何度も繰り返す
打ち寄せる黒い波
向かい合うたび
まだ私はそこにはいないのだと
また私はそちら側にはいないのだと
夜の海に
私はその一部を投げ出して
私はその一部を流し込んで
深くなる闇を
まだそちら側にはいないのだと
いつまでも
眺めている

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす