僕たちのいくつかの言葉について
僕たちのいつかの言葉について
ここへのせる
たゆたう からだの ひとつのように
椅子へ腰かける穏やかな老人のように
poem on chair
旅のあいだ
今日がどういう日か
君は訊ねたね
青空ならBLUEというように
英語を稽古しながら僕は答えた
世界にはたくさんの言葉があって
全ていい終えるまくらいまで
一緒にいたかったけれど
そんなことは叶わない
わかっていた
旅の最後の日に言おうとしていたけど
ほんとうは旅の始まりから
君に出会った時から
わかっていた
I LOVE YOU
君と一緒に過ごせる日は
全てが
LOVE
言葉の全ては
世界の全ては
LOVE
俺がファミレスでバイトしてたころ
町田康を教えてくれた卵顔で色白で美人だけど並びの悪かったタバコのみの酒飲みの小松さん
札幌生まれだったな同じバイト先のひとと付き合って苦労したってバイト辞めた後に聞いた
居酒屋で飲んだんだよな一度。すごい綺麗だなって言えなかった。
新興住宅の空き地
しんこーじゅうたくのあきち
看板と自動販売機と僕
かんばんとじはんきとぼく
煙草の煙が空に伸びて
たばこのけむりがそらにのびる
久しぶりに空みたな
ひさしぶりにそらみたな
地面ばかり見て
じめんばかりみてて
落ちてるものばかり気にしてた
おちてるものばかりきにしてた
人が使わなくなったものだけで生きられる
ひとがつかわなくなったものだけでいきられる
私はカラス。
わたしはからす
僕たちは年末に青春を楽しんでいる
明日を生きる
今日も生きる
間違ってドアを開けた女の子が
幸せでありますように
メリークリスマス
朝陽朝陽夕陽夕陽
空の青さに
僕たちはどれだけ気がつけるだろうか
松たか子の大きな看板
生まれて消えてく僕たちのこと
今日のハッピー
鬼殺しが好きだ
好きだ
just like
目覚めて林檎
電車に落ちてる
目覚めて林檎
林檎林檎
オープンクローズ
バフバフがかかる
チキチキチー
REC REC
(雄叫び)
ロールロール
土、土、
水、水
君は飛べる
スプレー缶ブレイク
バイヤー
森林深林
髪紙
(紙の音・瓶の音)
太陽は昇らなかった今日という日
君に合わなければ太陽は昇らなかった今日という日
僕たちは人間であることを取り戻す(LOVE)
僕たちは人間であることを取り戻す(ウォンチュー)
スニッカーズ
アイスコーヒー
僕たちは愛すコヒー
青虫、進む
川沿いのパン工場
3キロ先の甘い匂い
ナンバリングされて働くよ
590822
働いているのは
タイミーで来た女子高生
わたしたちパンが好き
黒糖、ホイップ、タイミー
からだに染み込む
一緒の匂い
1秒ごとに生まれ
コンベアの上
あふれるよ あふれるよ
美味しくなれ 美味しくなれ
ベッドの中で甘い匂いがした
肌寒く引き出しから厚手の上着を出す
また夢を見たよ
真っ白な造花の薔薇の花に
赤いスプレーを吹きかけて
赤くする
年長の友人が自分の茶色い車を塗るので
やはり赤く塗っている
それは私たちの旅の準備
ホンモノの赤いバラを探すための
旅の準備
地下のだだっ広いBARで僕らは
ひたすら麦酒を飲んだ
閉店時間まで飲んだ
町のなかに雨の降る予感がする
それはペトリコール
植物が日照りが続くと身を守るために油分を出すそれが、湿気と混ざって出る香り
人と会えない日々の中で少しだけ距離が近づいた時のフェロモン
電車でリンゴをたべている男
電車で泣いている男
それをみつけた女
電車を出ていく男
そこに種が落ちている
海、林檎を投げ捨てる男
:ものと人、風景は交互に
林檎食べる
電車の車内
見ている女
ドア
椅子にみちばたに落ちている
紙を拾う
雨の少し前の香り
傘を持って電車に乗っている女
向かいの席で寝ている男
町の風景
男の座って居いたところにリンゴが落ちている
僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair