poem on chair
2020年9月1日火曜日
アラモード
ささやかな音のするベランダ
踊り子を夜のとばりが包む
塗りたての白壁に飛び跳ねた万国旗
鉄塔をひとまわりして
朝陽がカーテンを揺らす
ロフトに届く慌ただしい暮らしの足音が
夏を遠ざけた
扉を開いてやさしく短い小説を読んだあと
また僕たちは物語に戻った
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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく
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