100年だか1000年だかに一度の大雪が降った
駐車場の車はこたつを頭からかぶったように丸い
朝になり雪の降るのをおさまるのをみて
近所の人々は腰まで積もる雪をかきかじめた
溶けだした雪の水がシャベルからぼたぼた落ちる
昨夜サラサラと降っていた雪がこんなにも重くなる
ふとシャベルの上の雪の青いのに気がつく
南極の氷は大気を含んでいるため酸素が圧縮され青い
と聞いたことがある
この雪は大気を含んでいるのか
降る時に含んだのか
積もりながら含まれたのか
何千年も上空で抱えていたのが降ったのか
それはわからない
普段使う言葉たちはサラサラと流れてゆくけれど
どこかで空気を含んだならば
この青い雪のように輝くものになるのだろうか
そして積もりゆけば
ひとつの重さを持つようになるのだろうか
やがて溶けてふたたび空へ帰ってしまうとしても
その重さや青さを
私や誰かの中にとどめるのだろうか
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