2013年8月3日土曜日

沖で

ちんどん屋がラッパ吹き鳴らし
白いパラソルを掲げながら
大名行列の真似をして
忘れられた時代と
これからの時代を行き来している

その脇をまきとられぬよう
掘り返された美しい鉱石を
大事そうに抱え
灰の街を歩いてゆく人がいる

生れたばかりの言葉のしずくを
口のなかで転がしながら
地下鉄へと乗り込んで
遠くへ遠くへ行こうとしている

辿り着いた夜の海に幻を流しては
沖でかすかに揺らしている

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  ああ、優しい世界が 花の美しい佇まいが 現れる 言葉はそうして歩く 染み付いて歌う そうして染み付いてゆく 慣れ親しんだ冬 浮遊 ぼくはあそびたい みんな知っている 君は誰かのもの 君の瞳に僕がいる 君がいる 美しい君がいる 世界が君を現し...