poem on chair
2013年8月2日金曜日
月が見ていた
しのびしのび込む光と影
蛍光灯の点滅
ガスボンベの路地
魚のさかさのうろこ
八百屋のトマトは転げ
はい回る女の髪がほぐれ
みえかくれする
きえあらわれする
こだまとはりの
真ん中のステップ
待ちわびた風が
青いふろしきを叩いて
蝉のなく季節を祝う
月が見ていた
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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく
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