poem on chair
2013年3月10日日曜日
夜曲
しずる夜に訪ねてくる
通過したわずかなさざなみ
張り詰めた旋律に
フクロウの詩がこだまする
田園の案山子が
敷き詰められた星々を見上げ
風車が明日の風を受けて
金色の小麦をひいている
灯る火はゆらめきの狭間に
遠くから届いた長い手紙を映す
人々は開封された懐かしい器に
天からの光を注ぎ飲み干す
無言のままはぐれた影たちを
見つけようとするかのように
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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく
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