poem on chair
2013年3月19日火曜日
桜の咲く少し前
桜の咲く少し前
空気の色が変わり始めて
日の落ちたあとでもどこか明るく
行く当てもなく歩いてみたくなるのだ
気づかなかった新しい店や
いつの間にかなくなった古い建物
カレンダーの日付は同じところを辿るけれど
今歩いてる場所は
昨日と同じでも明日と同じでもない
私自身も
昨日と同じでも明日と同じでもない
咲き始めているのは
季節に約束されたからではなく
あたらしさあふれるから
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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす
傘
雨が降ると天気予報で聞いた 傘を持って出かけた でも、雨はぼくが屋根の下にいる間に降って だから、ぼくは濡れた路上の上を傘を持って歩いた ビルの間から木漏れ日みたいに陽が差して ぼくの世界はまっ白になったんだ それで、ぼくは持っていた傘を開いて 歩いたんだ ...
痕跡
誰が来たのか 誰が去ったのか それはなんとなくなくなる なにがあって なにが終わったのか その痕跡すらなんとなくなくなる 私も誰かから この世界から なんとなくなくなっていく
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