2023年10月9日月曜日

シークワーサー畑にて

暑い日差しの中に照らされて

育ちゆく木々に緑の実がなる

澄み渡る空と大地が私を生かしている

雨が降り私を生かす

私は生かされた命を使ってこの世界を整える

動くことのできないものたちに語りかけながら

この世界を愛する

そして湧き上がる言葉という確かな命の芽生えを

詩にしてゆく

私のいるところは整えられ

命は新しく芽吹いていく

祈りに似た愛を私に触れるものは受け取る

私の命のあるか限り

2023年10月8日日曜日

通り雨と空と

祭りの夜、通り雨が街を覆って

交差点、四角の銀行の軒先で雨宿り

この雨がいつ止むのかはわからない


交差点をはしゃぎながら渡る人たち

車をとりに行くよと妻とベビーカーの幼子を残して走る夫

濡れた浴衣を絞る女子ら


街灯がぼんやりと夜空と街に溶けていく

私は眠れず散歩をしていた

空の上にいるおしゃべり


どこの空と

どこの街で

私はまた会えるかな




 北千住の飲み屋街/誰かの落としたチョコを拾う/バレンタインデイ神からの愛として食う