2021年4月20日火曜日

白詰草

こうしてまた光の速度で

溶け出してしまった私は

あなたの暮らす街から離れていく

朝陽が訪れるたびに

夢の香りから昨日の意味を知って

美しかったあなたが明日にもいるのかもしれないと

追いかけている

白詰草に包まれながら

どこまでここで漂う


2021年4月5日月曜日

炊かれた日々のほとりから

かじかんだ麒麟の群れが水平線を目指す


​打ち付けられた十字架の残響が

緑の丘を低く飛ぶ


​組み上げられた木材が

正方形の海に沈む


​密林の岩岩に夜光虫が、蛾が

息を潜めて訪れを待つ


​パプリカ


​鳥かごの重さを抱えながら

雨粒の軌跡をたどっていく


今朝、馬車は教会へ着いた

  ああ、優しい世界が 花の美しい佇まいが 現れる 言葉はそうして歩く 染み付いて歌う そうして染み付いてゆく 慣れ親しんだ冬 浮遊 ぼくはあそびたい みんな知っている 君は誰かのもの 君の瞳に僕がいる 君がいる 美しい君がいる 世界が君を現し...