2017年1月22日日曜日

座りてハラハラを眺め



遊歩道にあるベンチに座る

シダの屋根の隙間から青空がのぞいた

隣に1人の老人が座り

シンセイを吸った

吸い終わると去った




スーツケースを持った青年が座った

スーツケースに身を預けるようにして

臥して座った

冷たい北風が吹き抜け

私の吸ったタバコの煙が青年に流れていった

青年はひとつ咳をすると

立ち上がって去っていった




どこかでみかけた顔が通り過ぎて

声をかけようとしたが、

イヤホンを耳にしていたので

私の声は届かなかった

知らない顔だ




煙が空に浮かんで行き

雲を作って桜になった

ハラハラと、散る

ハラハラと、ハラハラと。

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす