遊歩道にあるベンチに座る
シダの屋根の隙間から青空がのぞいた
隣に1人の老人が座り
シンセイを吸った
吸い終わると去った
スーツケースを持った青年が座った
スーツケースに身を預けるようにして
臥して座った
冷たい北風が吹き抜け
私の吸ったタバコの煙が青年に流れていった
青年はひとつ咳をすると
立ち上がって去っていった
どこかでみかけた顔が通り過ぎて
声をかけようとしたが、
イヤホンを耳にしていたので
私の声は届かなかった
知らない顔だ
煙が空に浮かんで行き
雲を作って桜になった
ハラハラと、散る
ハラハラと、ハラハラと。
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