2026年3月13日金曜日

ものがなしい漁師の手のひらに似ていた

歩道橋を抜けたあたり
黄色い貨物列車が象の親子にまぎれて
水浴びしている

打ち上げられたテトラポットは
ものがなしい漁師の手のひらに似ていた

三角屋根の下
幼い兄妹はねぼけまなこで
ピクニック用のクッキーを焼き
その香りははるか西域の寺院の軒にひそんでいた



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心臓

私を開いておやすみを告ぐ 私を開いてありがとと告ぐ どうしてこうも堅固に鎖を巻いて どうしてこうも扉をとざしている ああ、あと何万遍抱きしめたなら 私はその声を聞けるだろうか