2020年3月27日金曜日

作業員A・B

支度の済んだ
トーテムポールが
海底火山を揺らす

木目からにじんだ
言葉の影が
闇へ帰る

実験場としての
社の丘に
置き去りにされた勾玉

怒号の響く
高速道路が南国の海へ伸び切って
点在するシグナルに耐えている

どうだね
そちらの無線機は
押しすぎてはだめだ
一度だけかるく押すんだ

滑ります
ここは気を付けていないと
滑ってしまいます
それを先にいってほしかった

銀河の端が
消えかけているが
そのことはまだどこにもあらわれてはいない


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poem on chair

僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair