2010年2月10日水曜日

超短編

『強盗団とステーキ』

強盗団がステーキ屋に入ったのだが
肉を焼く音に驚いて引き上げた
店内の片隅ではギンズバーグが詩を書いていた
肉は厚さが20センチ以上あり血が噴出し
肉はまだ生きていた

『園児の来る店』

金を貸した男が通りの向こうから
笑いながらやってきて俺にキスをした
「金は古書店にある」と言って立ち去った
俺は古書店に行ったが店主は金を預かっていないという
そこへ園児を引き連れた女が現れ
見学させてくださいとぐるぐると店内を回り始めた
園児の数は200名を超えていただろう
店は園児であふれた。
帰り際、数人の園児が俺を見つけて
金を差し出して去っていった
金は返された

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす