2009年5月8日金曜日

歌唄いに捧ぐ詩

歌唄いが死んで
歌唄いの曲が
その夜はラジオでたくさん流れた

楽しい陽気な曲ばかりで
よけいに悲しくなって
やたら誰かと話したくなって
電話をかける

月のうらの宇宙人だとか
地球のうらの大統領だとか

すてきな歌唄いの歌の一節を
唄いあげると
みんななぐさめを言いながら
その一節を繰り返すのだ

死んだ本人は
自転車で土星の輪を回りながら
新しい歌を唄っている

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poem on chair

僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair