2008年7月2日水曜日

光が呼びかけて

光が呼びかけるので
振り向くと
高層ビルの反射した夕日

目を下ろすと
シラフに身を包んだ乞食

初夏の風が
木々をざわつかせ
すずめが宙を飛び
吸殻が転がっていく

なんということのない
平凡な一日の夕方

私は公園のベンチに座る男
詩集を読み、本の裏表紙に言葉なんぞを書いている

光が呼びかけて文字を連ねた
見ているのか私を誰かが

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季節が来て 人ははなれて 風が吹く 冷たい手のひらで 去っていく 金魚 煙であればいい 背徳の館に 君の影が さす