雨が降り通り過ぎる車がしぶきを上げている
地上10階の私の部屋にその音が響く
昼間そういえば道ゆく人の笑い声が
聞こえてくる時がある
高いところの方が音がよく聞こえるという
ここよりさらに高いところでは
ささやきのひとつも聞こえてくるのだろうか
私の心の声をとても高いところで
誰かが聞いていたりするのだろうか
ああ、この混沌とした私の声を
ああ、この混沌とした私の振る舞いを
僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair