恋人の忘れた上着と暮らしていた
2022年10月23日日曜日
2022年10月19日水曜日
春嵐
窓が曇り出したのはぼんやりとして火にかけ続けたやかんのせいかと思ったが
押し付けがましく広がる雲から降る雨が春の嵐に叩きつけられていたから
階下に降りてみると案外雨足は弱く構えて軽装で防水靴をはいている自分を笑った
数刻前までは家を出たくはなかったなぜこの嵐の中を行かねばならぬのかと思った
バイト先は自粛のために私が行かなくてもなんとでもなる本当にいかくてはならない場所では
ない。しかして私が本当に行かねばならぬ場所はどこなのだろうか
仕事の終わったあと真っ直ぐに家に帰らず電車を乗り換えて飲み屋街に出かけた
間違えて違う駅で降りた、二駅手前だった。
それから目的地までそんなにかからないだろうと歩いた。
私に必要なことはここにあるのだろうかと
私が求めるものがこの歩く先にあるのだろうかと
職場の同僚の誕生日だったことを思い出して、
このみちの先に何か文具屋のあったのを思い出した
そこへ向かおう
持ち歩いていたフィルムがないのを思い出した
電気屋がこの先にあったはずだ
買えるかもしれない
それが私に必要なものなのか
記録を残したいのか
映画を作りたいのか
未来が教えてくれる
足跡を私は辿る
2022年8月14日日曜日
2022年7月11日月曜日
2022年6月17日金曜日
2022年1月20日木曜日
2022年1月19日水曜日
2022年1月18日火曜日
2022年1月15日土曜日
2022年1月4日火曜日
2022年1月2日日曜日
2021年12月24日金曜日
2021年9月8日水曜日
部屋の窓から
今日も列車がいく
座るひと、立つひと、眠るひと、景色眺めるひと
ゆられて
帰るひと、行くひと、過ごすひと、どこに行くか分からないひと
どうやって動いている?
誰が作った?
どうしてあるの?
喜ぶひとはいる?
幸せになったひとはいる?
かなしみもある?
音が聞こえる
声の聞こえる
時のあること
ただあること
2021年8月28日土曜日
2021年8月6日金曜日
2021年7月29日木曜日
2021年6月29日火曜日
混沌
雨が降り通り過ぎる車がしぶきを上げている
地上10階の私の部屋にその音が響く
昼間そういえば道ゆく人の笑い声が
聞こえてくる時がある
高いところの方が音がよく聞こえるという
ここよりさらに高いところでは
ささやきのひとつも聞こえてくるのだろうか
私の心の声をとても高いところで
誰かが聞いていたりするのだろうか
ああ、この混沌とした私の声を
ああ、この混沌とした私の振る舞いを
2021年5月6日木曜日
2021年4月20日火曜日
白詰草
こうしてまた光の速度で
溶け出してしまった私は
あなたの暮らす街から離れていく
朝陽が訪れるたびに
夢の香りから昨日の意味を知って
美しかったあなたが明日にもいるのかもしれないと
追いかけている
白詰草に包まれながら
どこまでここで漂う
2021年4月5日月曜日
2021年3月22日月曜日
2021年3月12日金曜日
poem on chair
僕たちのいくつかの言葉について 僕たちのいつかの言葉について ここへのせる たゆたう からだの ひとつのように 椅子へ腰かける穏やかな老人のように poem on chair